おすすめ漫画:異形なる少年の生き様。血塗られた恋慕。怪貌綺譚
好きな映画の紹介をしたかったのですが、やる前に映画を見直す時間がなかったので今回はおすすめしたい漫画を紹介します。
オススメの漫画は
~怪貌綺譚~
2016年にマンガボックスで連載していた、全二巻のホラーアクション漫画。
まずは簡単にあらすじからご紹介していきますね。
あらすじ
ある日ドギツイ仮面を被った見るからにあやしい少年”久綾人”が転校してきた。彼は体育の授業中も食事中も決して仮面を外さない。
なぜなら彼の貌は人並み外れたもので、関わった医者は狂い病院送りになり、整形外科はカルテを見ただけで発狂するほどの貌だった。
しかしその貌は人間にとっての異形でも、異形なる怪物にとってはどの美術品よりもどの同族よりも美しく、一度目にすると目を離すことができず、本来抱かないはずの恋情を抱くほどのものだった。
そんな彼のたった一つだけ自分の貌を許せる生き方、それは人間にあだなす異形なる怪物とたたかうこと…。
登場人物
久綾人:本作の主人公。異形な貌に悩まされながらも、自分の生きる居場所を探し奔走する。
譚下せつり:本作のヒロイン。クラスメイトから恐れられる綾人に唯一コミュニケーションをとってきたがその正体は…。
悟桐守秋:綾人のクラスメイトで綾人の転校初日に食ってかかる不良っぽい人
悟桐楓:守秋の妹。街に潜む怪物に攫われ行方不明になる。
本作の見所
独特なセリフ回し
マンガボックスで初めて一話を読んだとき厨二心をくすぐる素敵な言い回しなどに一気に鷲巣かみにされてしまいました。
まず単行本の帯の文言なんですが
『それは異形への陶酔。恋情のはらわた。』
もうこれはきてますね、クールすぎますね。
ちなみにこの記事のタイトルをこのまま使おうと思ったんですが流石に…と思ったので必死に考えたんですが、んーやはりセンスがまだ足りないですわ
作中のセリフだと貌のせいで今までろくな目にあってこなかった生涯を譚下せつりに冗談っぽく笑われて「それが本当ならきっと毎日が大凶ですよ」と言われると
「大凶ってのは奇跡の一種さ」
この返しですよ。このセリフには彼の貌に求めずに持ってしまった能力に対する皮肉。
中高生の時とか人知れず怪物戦う妄想をしましたが、そんな時この貌はこれ以上ないくらい幸運なものでしょう。しかし人並みに生きるなら限りなく邪魔なものになってしまいます。
そして今作の主人公久綾人の決め台詞であり、彼の生き様を表すセリフ
「僕は僕の貌を許せない。」
このセリフは二話で初登場なのですが、ここで単行本の購入を心に決めました。
一巻でたら速攻買いに行きました。
秀逸なネーミング
本作の魅力として外せないのが登場人物や武器や道具のネーミングです。
綾人は怪物の天敵として認識され、怪物たちから勝手につけた通り名
”怪貌公”
もういちいちかっこいいっすよね
天敵でありながらも公をつけるあたり敵にセンスいいやついますね
あんまり細かく言うとネタバレになるんでざっくりいっていきますと
怪物専門ゴミ処理係”摂津機関”
怪物の組織”百怪結社”
他にも秀逸な名前の怪物や武器や道具はあるのですがホントに素晴らしいです。
ドツボにきますね、ネタバレにならなきゃ全部紹介したいところです。
主人公が強すぎず敵も考えて動いて設定がしっかり練られている!
怪物に対して弱点を付け無敵に思える綾人ですが、割と明確な弱点が存在し作中でもそこを言われちゃったり敵に突かれたりしますね。
よくある話ですが敵たちが主人公に脳筋攻めしてきて「こいつ弱点あるんだから敵側もっとそこついていけよ」っていう考えをしたことはないでしょうか
例えるなら「バイキンマン、まずはジャムおじさんとか仲間から先に潰してアンパンマンの頭濡らせや」みたいな感じですね
まあバイキンマンも劇場版だとそういう的確に弱点を突いてくることもあるらしいですが…。
この怪物たちもあの手この手で綾人をせめてつついてきます。常に劇場版です。
おかげで話がマンネリ化せず水戸黄門の紋所よろしく貌出しとけば勝ち確だろみたいな展開もなくはらはらさせてくれます。(別に水戸黄門をディスってないですよ。)
綾人の使う武器や道具にもしっかり設定があったりしていかに考えられているかがわかります。
最後に
まとめになりますが心の中に厨二心を持つものなら買って損なし!
むしろもっと欲しくなります!僕は連載が終了したあとはしばらく難民化しました(ガチ)
作者様の次回作を今も期待しております!頼む早く来てくれ…。
この作品がもっと世にでて認知されて欲しいような、こっそり楽しみたいような複雑な気持ちでこの記事を書きました。
もし面白そうと思ってくれれば是非!よろしくお願いします!
僕も僕の人格を許したい。